俳句の作り方 冬芽の俳句
真直ぐに行けと冬芽の挙りけり 金箱と止夫
まっすぐに いけとふゆめの こぞりけり
冬芽が冬の季語。
「冬の間休眠している落葉樹の芽。
しかし、小さな芽を育んでいる。
それが膨らんでくると春は近い。
木の芽のことで草には言わない。」
(俳句歳時記 冬 角川書店編)
「挙るこぞるとは何かを一斉に行うことや、全員が一緒に行動することを意味します。」
(Copilot AIより)
つまり冬芽が挙るという表現は擬人法です。
では何を一斉に行ったりすべての冬芽が一緒に行動するのでしょう?
冬芽は動きません。
挙ったりしません。
でも私(作者)は冬芽に鼓舞されています。
たくさんの冬芽が内包する個々の躍動に励まされているのです。
その躍動とはまさしく春に向けての準備にほかなりません
私は迷っていましたが、落葉樹の芽を見ているうちに勇気づけられました。
そして一歩踏み出そうと決心しました。
大勢の人々に激励されているかのごとく冬芽が応援してくれています。
私は新世界に足を踏み入れるのです。
真直ぐに行けと冬芽の挙りけり
これほど勇気づけられる俳句は他に見当たりません。
擬人法を使って見事に心情を訴えています。
真直ぐに行けと冬芽の挙りけり